股関節痛

股関節が痛くなると、歩いたり階段を上ったりするのに支障が生じます。
では、なぜそのような痛みが出るようになるのでしょうか。

股関節の痛みを改善するには、股関節の構造について理解したうえで、正しく対処することが大切です。

構造

股関節は大腿骨の骨頭（太ももの骨の先端）が、骨盤の臼蓋（臼のようにくぼんだ場所）にはまり込むような形で構成される球関節の1つで、肩関節と並んで人体におけるもっとも可動域の大きな関節です。

役割

股関節には、骨盤の位置を安定させ、上半身を支える役割があります。
また、地面からの衝撃を吸収する役割もあるため、股関節の柔軟性や痛みの有無によって、歩き方にも大きな影響を与えます。

股関節痛が出やすい方

股関節の痛みは、どちらかというと筋肉量の少ない女性に多い傾向があります。

加齢

股関節痛の原因としてよく挙げられるのが加齢です。
年齢とともに股関節周囲の軟骨がすり減り、骨棘（こつきょく）を生じることで、鋭い痛みを発するとされています。

婦人科系の病気の可能性

子宮筋腫や子宮内膜症など、婦人科系の病気が原因となり、股関節に痛みを生じるケースがあります。

お尻の肉離れ

過度の負荷がお尻の筋肉にかかった場合、お尻と股関節を結ぶ筋肉が断裂し、股関節痛を生じることがあります。

オーバーユースによる炎症

サッカーにおけるボールを蹴る動作やランニング、過度の筋トレなど、股関節に繰り返し負荷を与えることで、股関節痛が生じることがあります。

股関節周囲の筋緊張

筋肉が硬くなると筋疎血（きんそけつ）を起こし、痛み物質を発生させます。
何らかの理由によって股関節周囲に筋緊張が起こることで、股関節痛のリスクも増します。

いずれのケースにも共通して言えることですが、痛みを抱えながら動いていると、膝や足首、腰などにも痛みが出てくる可能性があるため早めに対処することが重要です。

股関節痛の原因としてもっとも多いと言われているのが、変形性股関節症という病気です。

股関節にみられる変形性の病気です。

人間の関節の中には、年齢とともに変形していく場所がいくつかあります。
指の関節が変形するとヘバーデン結節と言われ、首の骨が変形すると頸椎症と言われます。

同様に、股関節が変形した場合、変形性股関節症と言います。

症状

変形性股関節症を発症した場合、次のような症状がみられます。

可動痛

変形性股関節症の初期には特に自覚症状がみられないのですが、進行した場合、股関節を動かす際に痛みが生じます。

動作時痛

椅子から立ち上がる際や歩きはじめなど、動作を開始しようとしたときに鋭い痛みが生じます。

特徴

変形性股関節症は、もともと先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全を起こしていた方が起こりやすい傾向があります。
しかし、そのような経験がなくても変形性股関節症になるケースもあります。

発症しやすい年齢

変形性股関節症の発症が多くみられる年齢は主に中高年以降で、特に女性に多いのが特徴です。

普段から筋肉を緩めておく

変形性股関節症は股関節の退行変性が原因とされますが、筋肉が硬いことで痛みが出るケースも多いようです。

そのため、日ごろから股関節周辺の筋肉をほぐしておくことが重要です。

股関節周囲の簡単なストレッチ法を一つご紹介します。

「向けに寝た状態で膝を抱え胸の方に引き付ける」

この簡単なストレッチを日々の習慣にするだけでも予防に繋がります。
決して無理をせず、気持ちよいと感じる範囲で行いましょう。

ただし、痛みがひどい場合には直ちに中止し、医療機関や整骨院・接骨院に相談しましょう。

姿勢を改善する

悪い姿勢や同じ姿勢を長時間とることで股関節にも負荷がかかり、身体のゆがみや軟骨のすり減りに繋がります。
日常生活での姿勢を正しく維持できるよう意識しましょう。

股関節痛は大まかに2種類に分けられます。

変形性股関節症により股関節の軟骨がすり減り痛みが出るもの
身体のゆがみから痛みを引き起こすもの

変形性股関節症による軟骨の損傷は組織そのものを痛めているため回復をさせるのが難しいのが事実です。

しかし、早期に処置を行うことにより進行を遅らせることが期待できます。

また、身体のゆがみは股関節をはじめ他の部位にも痛みを生じさせます。

当院では痛みに対する施術はもちろんですが、痛みの根本である「ゆがみ」を改善することが重要だと考えております。
そのため、身体のバランスをみて「骨格矯正」などもご提案しています。